東京の田舎もん

ミーハーの俺は人並みに憧れ東京に住んだことがある

19歳から途中オヤジが亡くなり一時帰ったこともあったけど足掛け7年ほどいた

東京に来てびっくりしたのは東京に来て3ヶ月もするとみんな無論俺も東京人になって東京イコール日本と思うようになってしまうことだった だから

東京生まれの東京人なら東京イコール日本ということに疑いを持つことはほとんどないはずだ まあ東京人と江戸っ子とはまた違うだろうけど俺にはわからない

そんなことはともかく当時電車等の交通機関を利用した旅行にはよく行った

旅に行くと寒々としたオホーツク海沿いの田舎町に降りたりしてこんなとこにも人は住んでいるんだなんて一丁前の東京人らしい感慨をもったりした そんなとき

地図を見るのが好きで日本地図を見ていたら南の海に与論島という島が目に入った

小さな島で東京から見るとこんなところに人が住んでるのかなと興味に惹かれ調べてみると結構な人数の人が住んでいるではないか そこで世界地図を連想した

アメリカから日本を見たらちょうど東京から与論島を見るのと同じ感じではないだろうかと こんな小さな島国にまさか1億人に余る人が住んでいるとは普通のアメリカ人は思わないのではないか そうなんだ

与論島に人が住んでると知らないなら与論島がなくなっても東京人は何の痛痒も感じないように日本が消滅しても普通のアメリカ人はなんにも感じないのではないかと思ったらちょっと怖くなった かくも人は住むところによってかわってくる

そんなこんなで東京に住んでるだけで自分は偉いんだと錯覚して地方を見下す輩を俺は勝手に東京の田舎もんと呼んでいる