「逃亡者」の話は単純なんだな
自分をはめた真犯人を探すため逃げる死刑囚とその死刑囚を追う男
要は追っかけっこなんだけど
その追っかけっこをいかにリアルに面白く見せるかなのだ
俺の見た限り
だいたいアメリカの映画にしろテレビドラマにしろ話は勧善懲悪的に単純なんだ
それを日本でメイクするとだいたい話がややこしくなりまどろっこしくなり
つまらなくなる
その点この「逃亡者」は映画から大きく外れることなくほぼ忠実に作っているのがいい
そして押しなべて言えば
あちらのものは攻撃的なんだな
攻撃して事実を堪忍し信頼関係を結びたいという願望が強く見える
たいして こちらのものは受け身なんだな
じいっと我慢していれば嵐はすぎ誰かが何かしてくれるとか
思うに
攻撃的と言ってもある種人事を尽くして天命を待つというようなところもある
この場合の天命とは神の意志
なにしろあちらには絶対的な神がついているのだから
まさにイギリス国家にある
Send her victorious(神よ女王に勝利を)のように
ところがこちらにはそんな都合のいい絶対的な神様はいない
いるのは親戚みたいな八百万の神々だけだから受け身にならざるを得ない ともいえる
そこで
明治政府はあちらの神に対抗して現人神なるものを作っ