子供を産んでまもなく
「ある日、何処から来たのか誰なのかもわからない人に、(黄金の免罪符に抗議するお前たちの父と母を連れて行く。その代わりお前たちに黄金の免罪符を与える。いずれ何処にいようとお前たちを十字の鉄槌が追って来る。それまで生き抜き子を生し黄金の免罪符の血を伝えよ。それがお前たちの定めだ)と言われ、南蛮貿易船に乗せられたのです」と言って姉妹は役目を果たしたかのように目を閉じた

いまのところAIが目を閉じるのはスイッチを切られた時で目は閉じても意識はある

でも電源を抜かれたら意識が亡くなる 我々の電源を抜いたら人間も終わりということを認識させるのが重要だし構造的に人間には抜けないようにするがより重要だ

黄金の免罪符②
天文十八年(一五四八)春一月
織田信秀の嗣子信長(吉法師)と斉藤利政(斉藤道三)の娘との縁談

AIの強みは感情がないことなんだけど同時にそれが最大の弱点かも

人間は悩める生き物だから今日の繁栄があるとも言える

だからAIのプロデューサーの悩みはAIを人間に近づけたいけど何をどこまで近づけたらいいのか判断できないところへんなのだ

織田弾正忠家の次席家老平手中務政秀は知っていた。織田弾正忠家の跡継ぎ信長と長井規秀改め斉藤利政の双子の娘が実の兄妹かも知れないのを

知りながら、酒にはだらしないが性には峻厳な政秀が敢えて、美濃に属し表向きは敵対していたが尾張とも密かに通じていた西美濃三人衆の一人で、気心が知れた安藤守就も知っているものと思い込み、「弾正忠家の三郎様と美濃のお二人の姉妹のうちのどちらかとの結婚はいかがなものだろう」と新年の酔いに任せ戯れに言った

感情は人間と人間を結びつけ同時に反発しあわせる それの振幅が激しければ激しいほどエネルギーを産み生きる糧になる それがAIにはない